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ごま油は健康に悪い?ごま油の健康効果やメリット・デメリットについて解説

ごま油は健康に悪い?

ごま油は健康に悪いんじゃないかと心配になること、ありますよね。

油は太る、体に悪いと昔からいわれていますが、ごま油はどうかというと、健康効果があり体に悪いということはありません。

ただし、摂りすぎに注意、適量を守ることが大切です。

その理由について、なるべくわかりやすくまとめました。

ごま油を料理に使っていて「健康に悪いんじゃないか」と不安を感じたら、今回の情報が参考になるかも。

よかったら、毎日の食生活に役立ててみてください。

ごま油の成分:リノール酸とオレイン酸

ごま油

ごま油の脂質のうち、主な成分はリノール酸とオレイン酸です。

参考 ごま油のチカラ | 日清オイリオ

リノール酸とオレイン酸はどんな成分なのか、詳しく解説していきますね。

リノール酸

必須脂肪酸のひとつで、体内で作ることができない成分です。

そのため、食事から定期的に摂る必要があるんですね。

必須脂肪酸は、リノール酸の他には、アラキドン酸、DHA、EPAなどが有名です。

リノール酸のいいところ

血中コレステロールを正常に保つといわれています。生活習慣病の予防になりますね。

リノール酸の悪いところ

摂りすぎると、免疫細胞に悪影響が出るといわれています。

摂りすぎに注意ですね。

リノール酸はお菓子やパン、カップ麺などにも含まれるので、過剰摂取にならないよう気をつけた方がいいです。

オレイン酸

オレイン酸はオリーブオイルにも多く含まれる成分で、リノール酸と違い体内で作ることができます。

オレイン酸のいいところ

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やしにくい働きがあるといわれています。

オレイン酸の悪いところ

特にないですが、摂りすぎには注意しましょう。


ここまでのまとめとして、ごま油の脂質の主成分にはリノール酸とオレイン酸があり、全体の8割以上を占めます。

リノール酸もオレイン酸も体にいいのですが、リノール酸は摂りすぎると免疫細胞に影響し、アトピーや花粉症などのアレルギー症状が出る危険性があります。

リノール酸は普段の食事から摂取しやすい成分なので、注意が必要ですね。

ごま油のその他の成分

ごま油とゴマ

ごま油には、リノール酸とオレイン酸の他にもいろいろな成分が含まれています。

いくつか紹介していきますね。

αリノレン酸(オメガ3系脂肪酸)

リノール酸と同じく体内で作ることができない成分です。

血中中性脂肪を下げる働きがあるといわれていて、血液をサラサラにしてくれます。動脈硬化の予防になりますね。

ビタミンE

抗酸化作用のあるビタミンですね。
細胞が元気に働く手助けをしてくれます。

ゴマリグナン

ごま油にわずかしか含まれない成分で抗酸化作用があります。
体内の余分な活性酸素を除去してくれる働きがあるんですね。

よく耳にするセサミンもゴマリグナンの一種です。
ビタミンEとの相性がいいです。


健康的なごま油ですが、カロリーも高く、たくさん摂れば太りやすくなります。

くれぐれも摂りすぎに注意して、1日スプーン1杯くらいを目安にするといいと思います。

ごま油の抽出方法

ごま油は、ゴマから油を抽出して製造するわけですが、抽出方法には主に2種類あります。

玉締め絞り(圧搾法)

江戸時代から続く伝統的な手法です。
御影石などの圧力でゴマをゆっくりと時間をかけて絞ります。
ゴマの旨みや風味がすごいです。
手間がかかるので、製造しているメーカーは少ないです。

抽出法

ゴマにヘキサンという溶剤を加えて、油を抽出する方法です。
圧搾法に比べて味や風味は劣ります。

スーパーで売られている安いごま油は、抽出法で作られたものが多いのではないかと思います。

抽出法の問題点は、製造の過程でトランス脂肪酸が発生することですね。

トランス脂肪酸はマーガリンなどにも含まれる成分ですが、摂りすぎると心臓病のリスクが高まるなど、健康への影響が心配されています。

参考 トランス脂肪酸が体に悪いって本当? | 農林水産省

アメリカでは、食品への使用を禁止しています。

また、ヘキサンという化学物質そのものが大丈夫なのかという点も、消費者としては心配になりますね。

もちろん、安全性に問題がないので販売されているわけですが、気になる人は気になると思います。

  • ごま油を毎日のように使う
  • 抽出法で作られたごま油に不安を感じる

という場合は、玉締め絞り(圧搾法)で作られたごま油を選ぶと安心かもしれません。

普通のスーパーでは置いてないことも多いので、ネットで買えるものをいくつか紹介しますね。

圧搾法で作られた山田製油のごま油。
一番おいしいところだけを絞った一番搾りによる贅沢な製法です。


こちらも創業以来守り続けている圧搾法で作られたごま油です。
ゴマそのものの味と香りを楽しめます。

いろいろな油をバランス良く摂取しよう

ごま油

ごま油の主成分は、リノール酸とオレイン酸ですが、油には他にもDHA、EPAなどもあります。

体に良いといわれる油がいろいろあると、どれをどのくらいのバランスで摂っていけばいいのか迷ってしまうこともありますよね。

油には体内で作れるものと作れないものがありますが、まとめると次のような感じになります。

体内で作れる

オレイン酸・・・オリーブオイル、ごま油など

体内で作れない

リノール酸・・・ごま油、コーン油、大豆油など
DHA・EPA・・・青魚など
αリノレン酸・・・エゴマ油、アマニ油など

この中で摂りすぎに注意が必要なのがリノール酸。

リノール酸は普段の食生活で普通に摂取することが多いので、特に気をつけた方が良さそうです。

反対にDHAやEPA、αリノレン酸は不足しがちなので、こちらの油を少し多めに摂れるように意識するとバランスが良くなりますね。

厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、たとえば30~49歳の成人男性であれば、1日あたり

オメガ6系(リノール酸など):5(10g)
オメガ3系(DHA・EPA、αリノレン酸など):1(2g)

の割合を目安にするのが良いとされています(158P参照)。

他の年齢や男女で若干の違いはありますが、大体5:14:1くらいの割合が推奨されています。

ここで急に出てきたオメガ6系や3系については次の項目で触れますね。

現代人の食生活だと、どうしてもDHAやEPAは不足してしまいがち。

DHAやEPAが多く含まれる青魚(イワシ、サバ、サンマなど)、αリノレン酸が多いエゴマ油、アマニ油なども、毎日の食生活に取り入れると良さそうですね。

オメガ6系、オメガ3系とは?

(この項目は少しややこしいので読まなくても大丈夫です)

脂肪には、いくつかの系統があるのを知っていますか?

まず、大きく2つに分類されます。

飽和脂肪酸・・・動物性の脂
不飽和脂肪酸・・・植物性や魚の脂

そして、不飽和脂肪酸は次の2つに分類されます。

一価不飽和脂肪酸・・・体内で作れる
多価不飽和脂肪酸・・・体内で作れない

さらに細かく分類すると

一価不飽和脂肪酸 - オメガ9系
多価不飽和脂肪酸 - オメガ6系、オメガ3系

という形に分類できます。

これらに当てはまる代表的なものをあげると

オメガ9系・・・オレイン酸
オメガ6系・・・リノール酸
オメガ3系・・・DHA・EPA、αリノレン酸

となるんですね。

特に覚える必要はないと思います。オメガ3系の油は不足しがちなので、意識して摂りたいですね。

まとめ

ごま油は健康に悪いのではと思ってしまいがちですが、適量を守れば体に良いものです。

ただし、ごま油に含まれるリノール酸は、摂りすぎてしまうと健康に悪影響が出てしまうので要注意。適度に摂ることが大切です。

ごま油には2種類の作り方がありますが、体により良いと思われるのは玉締め絞り(圧搾法)で作られたもの。

体のことを真剣に考えるなら、玉締め絞り(圧搾法)で作られたごま油を取り入れるといいかもですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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